Les Abeilles

mouf2005-06-11

いままで養蜂とは全く無縁な生活を送ってきたのですが、これも不思議ななにかの御縁ですので、もう一ヶ所行ってきました。


場所は、13区CORVISART(6番線)のrue butte-aux-caillesにあります。
このブットオーカイヨ通りというのが、とってもいい感じの街で、ちょうど三軒茶屋とか高円寺の小さな通りのよう。そこに、この店舗があります。


店名は「Les Abeilles」(ミツバチ)。
ハチのデザインの下には、「蜜と蝋」と書いてあります。知る人ぞ知る、蜂蜜と養蜂用品の専門店だそうです。(右下は、サングラスをしてなぜか軒下で日向ぼっこをしていたおばあちゃん。)
店頭の白いマヌカンが見えましたでしょうか?

店に入ると、このマヌカンが歓迎してくれます。これは、ハチ除けのフードに違いない。
ちなみに、その後ろにはあるのはタンタンの1場面。

しばられたタンタンにあやしい人物がビンを見せて、
「にいちゃん、これを知ってるかい?」
タンタン:「はっ、それは気が狂う毒薬!」そこで帽子が飛ぶ。
(実は、ビンにはハチミツと書いてある。)

まず、店内右手には、大きなタナがあって、ハチミツの小瓶がたくさん並んでいます。みると、アカシアとか、Chataignierとか、種類も豊富。このディスプレイには、どことなくあのマリアージュをイメージさせるものが。
店主のおじさんが、ジャン=ジャック(Jean-Jacques)さんというらしいのですが、この方がとってもいい感じの方で、
「あの、ハチミツ買いたいんですけど、どれが良いのでしょうか?」
「んー?全部いいよ。(tous!)」
「あ、ん、それではどれかをお薦めするとしたら、どれが…」
「んー、アカシアとかラベンダーとか…」
「あ、そうだ!日本から来たんですけど、日本にないフランス特産のものとかあります?」
「お、それならchataignier」
「(○△*×?)」
「kurinoki」
「(なんだ、kurinoqui??フランス語にそんなのあるのか??)」
「栗の木、知らない?ほら、マロニエマロニエ
「ってか、なんで日本語の栗の木知ってるんですか?」
「だって、日本のお客さんがたくさんいるんだよ。」
しまった、相手が日本語で「栗の木」知ってるのに、こっちはアウェイでchataignierを知らなかった。
というか、実は日本人がたくさん行っている有名店のようです。
「じゃあ、そのkurinokiと...このアカシアが三種類あるのは?」
「あ、これとこれは、中身は一緒でこっちは液状、こっちは固まっている。それからこの上のビンのアカシアは、すっごい純度(とれっとれ、ぴゅーる)」
「じゃ、その濃いアカシアと、もう一つ買うとしたらどれがいいですかね?」
「んー、全部(再)!」
「なるほど、で、もう一瓶買いたいのですが…」
「これはどう、montagne」
「(montagneって、山か?山の何かの木のことか?)」
「知らないの、山、山(と、両手で山を作る。)」
「あ、解かりますっ。じゃ、それ下さい。」
とても気さくで、楽しいおじさんです。
この国のおじさんって、なぜか日本のようにくたびれずに、とってもいい味を出している人が多くて、このおじさんもすごくいい人でした。
タナの上には、世界各地のハチミツの小瓶がどどっと並んでいて、日本のも某社のチューブ型の容器がありました。


店内左手には、このような試飲コーナーとか、

そのほかにも専門外の私には解かりませんが、巣箱の棚板や、

こんな機具や、

蝋などが展示してあり、おそらく専門の方にはたまらない魅力のあるお店だと思います。
「このお店、始められてどれくらいなんですか?」
「んー、12年以上」
「おお、ホントですか。」
「(手で12を作っている。)」
「あ、解かりますのでっ。(ジャン=ジャックさん...)」


そこで、
これが、買ってきた3種類。

左から、マロニエ、アカシア(とれっ・ぴゅーる)、モンターニュです。
いずれも一瓶2.8 Euros(とれっ・ぴゅーるは3.3 Euros)と良心的な価格でした。
これからバゲット(Maison Kayser謹製)にぬって、楽しく試食してみたいと思います。


このお店、品揃えが豊富なこともありますが、なにより店主のおじさんが、とても気さくで親切で楽しい。また行ってみたいと思いました。
また、世界のハチミツを集めているみたいですので、関係者の方が見ておられたら、一方的に自社製品をお送りしても喜ばれるのではないかと思います。
Les Abeilles: 21 rue de la butte-aux-cailles, 75013 Paris, France
TEL: +33.(0)1.45.81.43.48


ところで、このお店については、昨年現地の情報誌OVNIを読んで知りました。
知っている限りでは、養蜂関係としては、もう一つ記事がありました。このおじさんもいい感じで良い方のようですが、さすがにこれは機会があれば後日。


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